何年か前に、このYouTubeのビデオが流行って、私のところにもSNSを通して何度か回ってきました。

 

 

白人男性が、この韓国系アメリカ人の女性にどこから来たのか、としつこく聞くのが面白いこの動画。彼女がカリフォルニア生まれのアメリカ人だと言ってるのに、「どこから来たんだ?」と引き下がらず、とうとうひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが韓国から来た、と答えると、「照り焼きバーベキュー(←和食)の美味しいレストランの話を始める始末。呆れきった女性と、空気を読んでいない男性のやり取りが、笑えます。

 

 

と、面白おかしくコメディチックに表現されているけれど、実は私も同じような経験あります。仕事でニューヨークに出張に行った際に、イエローキャブのドライバーに「Where are you from? どこから来たの?」とこの動画と同様に聞かれたのです。「バージニア州からきました。」と正直に答えると、私の発音のせいなのか何なのか、「Sorry, where? え?ごめん。どこ?」と聞き返されます。「バージニア州。首都ワシントン近郊の。」と答え直すと、「But where are you really from? でも本当はどこから来たの?」としつこく聞くので、空気を読む日本人の私は、相手の意図をくみ取り、「生まれたのは日本」と答えたのでした。そしてそのあとそのドライバーは、自分がいかにチャイニーズフードが好きかを話し続けたのでした(笑)。突っ込みどころ満載!

 

まぁ、それでも、私の場合は大人になってから渡米したわけだし、英語もアメリカ人のようには話さないので、特にオフェンドされることもなく、やり過ごしたんだけど、これが生粋の日系アメリカ人だったらそれは複雑な気持ちになることでしょう。

 

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で、実際はこんなことが頻繁になるのか、と言うと、このようにあからさまなドラマはほとんどありません。というのも、オフィスでは人種差別を始め、年齢や性別の差別はとてもセンシティブな社会的問題なので、みんなとても気をつけているのです。

 

例えば私とメールや電話のみでやり取りをしていたお客さんが、私と初対面するためにオフィスにやってきたとします。そこでその辺にいる人に「たももさんってどの人?」って聞きますよね。そうすると聞かれた人は「ああ、あそこのアジア人女性だよ」と言うと思うでしょ?ところが実際はそうではなく、他の言い方で私の容貌を説明しようとするのです。「ほら、あの黒くて長い髪の、黒ぶちの眼鏡をかけた女性見える?この列の一番端っこに座ってるんだけど。ほら、あのブルーのセーター着ている人」と、それはそれは長い説明をするのです。

 

こういう場面で、アメリカ人は絶対に「あそこに座ってるアジア人女性」とか「黒人男性」と言いません。取り方にとっては人種差別と取られてしまうのを恐れるからなのですが、こういうのに疎い日本人の私達からすると、「考えすぎ!」「あそこに座ってるアジア人って言った方が早い!」と思ってしまいますよね。

 

それではみんながそこまで気をつけるなら差別はないのか、と考えられるでしょうが、実際は目にはなかなか見えない形であります。企業でトップを固める人たちはやっぱり白人男性が女性よりも全然多いです。口では差別はないと言いますが、実際はトップまで出世するまでは、同じ人種どうしで固まっているグループに、入り込んだり追い抜かしたりしていかなければならないので、やはり私達には難しい。でもそれは明らかな形ではないので、パッと見では全員に出世のチャンスがあるように見えて、実際はハンデがあるといった感じかな。

 

そういうハンデのことをglass ceiling(ガラスの天井)と言います。パッと見では障害もなく上に行けそうなんだけど、実際は目に見えない透明の天井があって、白人でない私たちはそれが妨げになってなかなか上に行けないということです。

 

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仕事に就く前も、私の中国系の友達はみんな西洋のファーストネームを使っていました。履歴書に西洋の名前があった方が、面接に呼ばれやすいからだそう。

 

私の黒人の同僚は、以前テキサスの田舎に住んでいたのですが、運転中に警官に何度も車を止められた経験があり、ひどい時は道路にうつぶせになって服従しないといけなかったそうです。これは人種による差別で、ひどい時は警察官に銃で撃たれたりして、暴動になった事件は記憶に新しいですね。

 

私自身はそこまでひどい体験はありませんが、通っていた大学は田舎にあったので、田舎の小さな店などに行くと、英語で質問しているのに「ごめんなさい、あなたの言ってること分からないの」と言われたことはあるかな。英語しゃべってるっつーの(笑)。

 

人種のるつぼで、みんな仲良しこよしに見えるアメリカですが、やはり人種差別の問題は根強いです。

 

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