アイドル活動をしていた冨田真由さんが、ファンの男性に首や胸など20カ所以上を刺されて、病院に搬送されましたが、現在も意識不明の重体であるという衝撃的なニュースは海を隔てたアメリカに住む私の耳にも入ってきました。冨田さんのファンだった男性は、最初は冨田さんのファンだったにもかかわらず、だんだんとストーカー化していき、今回の犯行に至ったそうですね。

 

ニュースによると、冨田さんに相手にされていないと感じた男性が、twitterでだんだんストーカーまがいの言葉を投げかけるようになり、今回の犯行に至ったとのこと。相手にされなかったって、、、当たり前ですよ。私がJustin Bieberに夢中になって、ジャスティンが私の思いの答えてくれるワケがないのと同じことで。

 

似たようなストーカー被害はアメリカでも聞きます。どうしてストーカー被害が起きるかというと、一つの原因は、「距離感」を間違ってしまうからではないでしょうか。今日は日本人とアメリカ人の距離感の違いのお話です。

 

 

日本は国土が狭いので、日本へ行くたびに他人との物理的な距離が近すぎるな、と辟易することがあります。電車に乗るとぴったりくっつかないといけないし、レストランでも隣の席が近いし、実家にいても親と狭い部屋にずっと一緒にいなきゃけないし、とにかく心休まらない。

 

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アメリカには「personal space」という言葉があり、これはアメリカ人の文化人類学者が作り出した言葉で、自分が不快に感じない他者との物理的な距離を言います。分類は以下の4つ。

 

intimate distance 親密な距離(15cm以内)
家族や恋人など、ごく親しい間柄に許される距離で、それ以外の人がこの距離に近づくと不快と感じます。

personal distance 個人的距離(45~75cm)
友人同士の個人的な会話ではこの程度の距離がとられ、相手の表情が読み取れて、二人が手を伸ばせば相手に届く距離

social distance 社交的距離(120~200cm)
初めて会った人、上司、お客さんと接するときにとられる距離で、身体に触れることは出来ないけど、会話をするには十分な距離

public distance 公共距離(350cm以上)
演説、講演会や公式な場での対面のときなどに適した距離

 

こう見ると、日本のパーソナルスペースは、アメリカのものよりもずっと狭いですね。とにかく他人との距離が近くて、満員電車なんか特におじさんの胸に顔をうずめる、みたいな、ラブな距離感も当たり前でしたからね。

 

私の同僚はパーソナルスペースを大切にする人で、逆に近くに来られると恐怖を感じるそうです。まぁ、恐怖まで感じる人は少ないかもしれませんが、このパーソナルスペースに対するお互いの理解度が異なると、不快に感じるアメリカ人はとても多いです。

 

もう一つの距離的な問題は人間関係。私がOLの頃はランチを食べるグループが決まっていて、それが崩されると大事件だったのを覚えています。少しでも相手の愚痴を聞こうものなら、連れション決定みたいな空気感が当たり前で、それを普通にこなしていたのだけど、アメリカでのドライな人間関係に慣れてしまうともう戻れないな、と感じます。

 

アメリカでは、私個人の経験上、距離感は人間関係のキーポイント。人と人の間に引かれたラインを超えることは敬遠されます。

 

パーソナルスペース

 

前述の私の同僚は精神面での距離感はもちろん、物理的な距離感もある程度必要なタイプ。それが昨日の記事で書いたマイクロマネージャーの元で働くことになったものだから、大きな問題に発展しました。ノックもせずにオフィスに入ってきて、ささっと後ろに回ってはマウスを横取りしてコンピューターを操作します。今朝、彼女はとうとうブチ切れて、「マイクロマネージメントをやめない限り、私はここでは働けない」と言ってのけました。よく言った!

 

彼女みたいにスペースに対する要求はあのマネージャーの元では当たり前のことですが、一般的にスペースを必要とするタイプを「private person」と言います。自分の世界があり、自分のことをさらけ出さないタイプで、自分のスペースを他人に侵されるのを苦手とする人たちです。おしゃべりなように見えて、privateな人もいるので、この辺は要注意。この表現はよく聞くので、覚えておくと便利かもしれません。

 

privateでなくても、アメリカ人はindependent(自立している)なので、仕事上であれこれ細かく指図をするマイクロマネージャーはことごとく嫌われます。開拓時代から、自分の身は自分で守る習慣がついているからかしら?

 

私がOLだった頃は日本は真逆でした。入社すると先輩たちは手取り足取り教えてくれて、飲み会に参加すれば余計なお世話な質問もたくさんされ(彼氏いるのか、とか)、どう社会で生きていくべきかのレクチャーもいろいろいただきました(疲)。そしてつかの間のお昼休みは連れション派閥ですから、気が休まることがありませんでしたよ。

 

冨田さんにつきまとって、挙げ句の果てには20ヶ所も刺したという男性は、その距離感を完全に誤ってしまったのでしょう。会いに行けるアイドルは、商売上距離感がものすごく近いのを売りにしていますが、実生活でprivacyを無視していいことにはなりません。

 

お国柄による距離感の違い、覚えておきましょう。

 

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