「脳は奇跡を起こす」の勝手気ままな書評です。アマゾンのレビューも高かったので、何年も前からよもうと目論んではいたのですが、本屋で1章目を読むと難しそうだったので、先延ばししていました(笑)。ちなみに私は英語でオリジナルを読みました。

 

ここには脳の可塑性を利用して、イメトレだけでピアノが弾けるようになったり、2つのことを気をつけることによって老人ボケにならないようにする方法が載っています。それが実験を通して証明されたってのがすごいところです。

 

 

テーマは可塑性(Plasticity)

この本は脳の可塑性(かそせいと読みます)、英語でPlasticityについて書かれています。人間の脳には、神経細胞と神経細胞の結びつきを変化させることでその働きを更新していく『可塑性』と呼ばれる驚くべき能力が備わっているそうで、その力強い事例が多く書かれていて、読むにつれてがっつり引き込まれます。

英語を大人になってから学ぶとなかなか上達しないと信じられているように、大人の脳は、がっちりと組み上げられてしまっていて、もうそれ以上変化する余地がないものと考えられていました。しかしそのような考え方は間違っていることが様々な研究から明らかにされ、それがいろいろな事例とともに証明されています。

 

豊富な事例が面白い!

 

この本が人気のポイントは事例がとても面白くて、引き込まれるところです。例えば

 

  • 半身不随の脳卒中患者
  • 学習障害者
  • ネットポルノ常習者
  • 90を超えてもボケる気配すらないおじいちゃん

 

ね?読みたくなったでしょ?

 

1章目が辛い

 

脳は奇跡を起こす

 

私は本屋で1章目をパラパラとめくったのですが、結構な拷問でした(笑)。平衡感覚を失ってまっすぐ歩けなくなった女性の話なのですが、それと可塑性がどう関連しているのかを説明する各章のパターンをつかむ前だったので、どうしてこんな事例(しかも自分の現在の生活や状態にあまり関係ない)を長々と説明しているのか分からなかったからです。1章目なんだし、もっといい事例なかったのかな?

 

でも皆さん、1章目を読んでしまえば、あとは引き込まれるのでご心配なく!将来どうやってボケないか、知りたくありません?脳トレだけで、ピアノがスラスラ弾けるようになりたくないですか?そんな面白くてためになりそうな秘密が後続の章に書かれています。

 

私たちに応用できること

 

この本を読んで、日常生活や、特定の問題の解決への糸口になることが幾つか見つかりました。

 

赤ちゃんへの愛情表現は永遠

 

赤ちゃんは言葉こそ理解しませんが、愛情を感じる力は持っています。子供は発達状況に応じて2段階の愛情認識を行います。生まれたばかりの頃はProcedural/Implicit memoryを使い、言葉を使わない愛情表現、たとえばお母さんの優しい笑顔だったりあやす声だったり、から愛されていることを学びます。言葉を理解するようになるとExplicit/Declarative memoryを使い、言葉による愛情表現から愛情を感じるのです。

 

この本には子供の頃に大きな病気のために毎日苦痛を伴う治療をしてきた男性の事例が出てきます。男性は大人になって病自体は回復しましたが、屈折した愛情表現で、誰と付き合っても自分を痛めつけることでしか愛情を感じることができなくなっていました。

 

もう一つの例は幼少期に里子に出され、愛情を感じることなく育った男性で、大人になって誰と付き合っても結婚しても満足することがなく、別れを繰り返していました。恐ろしいのが彼自身その関連性に気づいていないこと。カウンセリングを通して、過去と向き合い、脳に新しい情報を植え付けることによって、その問題を解決していこうとします。

 

言葉が分からないから、どうせまだ子供だから、と思って、子供と向かい合っていませんか?20年後、30年後に後悔しないためにも、愛情表現(言葉だけじゃないですよね)を心がけましょう。

 

ボケないためにはエクササイズと新しいことを学び続けること

 

90超えたおじいちゃんが精力的に毎日を過ごし、アルツハイマーとは全く無縁な事例が出ています。脳は新しいことを学ぶと変化し、何も新しいことを学ばないと退化するわけですから、退化させないためにも常に新しいことに興味を持ち、学び続けることが大切です。

 

マインドは脳から、そしてその脳は酸素を必要とするので、適度な有酸素運動も必要。ここで進められているエクササイズはダンスです。運動にもなるし、新しいステップを学ぶのにメンタルのエクササイズにもなるからです。逆にランニングやボーリングなどの単調なスポーツは勧められていません。それにプラスして、新しい勉強をすればいいのでしょうけど。

 

自己暗示で何でもできるようになる

 

この本では、ピアノに実際に触れて練習した人々と、イメージトレーニングのみで練習した人々とでのレベルアップの度合いを比較しています。なんと両グループでは上達度合いは同じだったのです!しかもイメトレをした後に実際に触れて練習をしたら、最初から実際に練習したグループよりもうまくできるようになったとのこと。

 

ってことはですよ、私たち日本人が難しがったり恥ずかしがったりする英会話も、ペラペラ話す自分を常に想像していれば、本当にペラペラになるってことですかね。カナヅチで泳げない私も、イメトレで泳げるようになるってことですかね。

 

また、筋力トレーニングを実際に行った人々と、イメージトレーニングのみでトレーニングを行った人々では、筋力アップ率を比較した事例も載っています。実際に行ったグループは30%アップ、イメトレのグループでは22%とほとんど変わらなかったことが証明されています。

 

楽して痩せれるダイエット法はない、なんて言いますが、、、ありましたね(笑)。

 

勉強すればするほど脳は発達する

 

何年間も仕事上で細かい計算をしてきた男性が、脅威のスピードで計算を行える能力が備わった事例が出てきます。その計算能力がロングタームメモリを通して行われるようになったためだそう。

 

あと政治犯として狭い独居房に閉じ込められた人の話も出てきて、脳は「use it or lose it」(使わなければ退化する)なので、周りがどんどん廃人化する中で、彼は独居房にいながらも、頭の中でずっとチェスの対戦をしていたそうです。

 

小さなことが気になるあなたへの解決方法

 

OCDはObsessive Compulsive Disorderの略で、日本語で強迫性障害と言いますが、小さなことが気になってそれに取り憑かれてしまう精神病です。家を出る前にガスの元栓と窓を閉めたか確認したのに、どうしても気になって何度も家に戻ってチェックしてしまう人いませんか?それが強迫性障害の病状です。

 

治療にはまず自分は強迫性障害を患っていると認識するのが最初の第一歩です。それからその病状が現れた時に、ポジティブなことをして、新しい脳内のサーキットを作り、もともとある強迫性障害サーキットを弱めることが必要だそうです。ポジティブなことは喜びを与えてくれるものなら何でもよいそうなので、私ならスタバに行くとかネイルに行くとかですかね。

 

結論

 

可塑性を通して脳を大きく変えるきっかけとなるのは、本人の意欲、それに周囲の人の愛。「変わりたい」「前向きに生きたい」という意欲と、それをサポートする周りの人の愛情が、脳の可塑性を活かして、さらなる高みを目指せるということでしょうか。

 

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