移民としてアメリカで生活していると、自然と他の国から来た移民と話す機会があります。どの国から、いつ頃、どういうきっかけで来たのか、と言うのは共通の話題で、いつも盛り上がります。

 

私のように大学への留学目的で来た人ももちろん多いですが、他にも契約社員として仕事を得て渡米した人や、難民として親と共に入国した人もけっこういます。中には成人する前に来たけれど、親が語学やビザのせいで仕事が見つからず、貧乏生活を強いられた、という人も居て、そういう話は壮絶です。そういう子供たちは政府の計らいで大学の奨学金が出ることも多いのですが、絶対にいい成績で卒業していい仕事を得ないといけません。

 

ところが在米の日本人と話すと、同じ移民とは言え、かなり話の内容が異なってきます。18で日本の高校から直接アメリカの大学へ留学し、親が学費を出してくれる場合が大変多いです。それか日本の企業から大学院への留学の費用を出費してもらい、その後その帰国してその企業で再度働くパターン。もしくは日本の企業から限られた年数派遣される駐在員。もちろん私のように日本で働いてから留学し、質素に暮らして何とか卒業し、こちらで仕事を見つけるパターンもありますが、どちらかと言うと少数派。同じ移民なのに、恵まれ度が半端ありませんね。

 

 

ここで問題。大変な生活を強いられている難民移民の学生たちと、勉強をするお金も時間もある日本人留学生と、どちらが成功するでしょうか。もちろん一概には言えませんが、私が見る限りアメリカに残ってアメリカ社会で活躍する日本人は、卒業後にかなり減ってしまいます。どうしてだと思いますか。それは、日本人には帰る場所があるから。

 

スポンサーリンク

 

 

卒業して、ちょっとOPT(大学卒業後、1年間有給で米国で勤務できる資格)で働いた後、日本へ戻ればその経験を欲しがる企業がたくさんあります。もしくは、わざわざ語学で苦労してアメリカの企業で働かなくても、アメリカには日系企業が多くありますから、そこへ就職するのもいいかもしれません。それが政情不安定な国から来ていたとしたら、自国へ戻るオプションはありませんから、死に物狂いで仕事を探し、良い収入を目指さなければなりません。政情に問題のない国でも、経済的に発展していなければ、自国の企業はアメリカには多くないでしょう。

 

その「いつでも戻ればオッケー」メンタリティーはなかなか根強く、大学や仕事に関係ない場所でも現れます。日本人は大概にしてアメリカに住んでいても英語が苦手で、それはどうしてかと言えば、日本語で事足りてしまう場合が多いから。もちろんお店での買い物や子供の学校での英語は必須ですが、それは特に何年も住めばそう難しい英語ではありません。でもいざ家に戻れば、日本のテレビはネットで見れるし、日本人の友達と日本語で話せるし、本を読みたければ日本語の本を取り寄せられるし、英語に頼る必要がほとんどないのです。

 

子供が大きくなっても働かないママが多いのも、基本的にそのせいかもしれません。もちろん子供が大学に行くまでしっかりと見守ってあげたいという信念のもと、仕事をせずに家にいるママが多いだけの話かもしれませんが、まずその選択肢が自分の中にあるだけで、日本人だな、という印象。

 

日本人 帰る場所

 

私のフィリピン人の同僚は、私同様に母国語は英語ではありませんが、渡米当時から英語の書籍ばかり読んでいたそうです。タガログ語で書かれた本はとても少ないし、それを取り寄せるほどの経済力もなかったから。どうりで彼女は美しい英語の文章を書くはずです。

 

帰る国があることも、母国語に触れる機会があることも、素晴らしいし、とても恵まれている私たち。それでもやはり帰る国があることは、私たちの弱さと甘えを引き出してしまう最大の敵になってしまうのです。

 

スポンサーリンク