現在は公務員として出張のほとんどない仕事をしていますが、その前は7年間大手コンサルティング会社でコンサルタントとして、全米を出張していました。あまりにその期間が長かったので、出張に関するいろいろなことが当たり前になっていたのですが、コンサルタントを辞めてから、あれは独特な世界だったと実感しました。今日はそんなコンサル時代の出張に関する面白いあれこれをご紹介します。

月曜11時にクライアント入り、木曜のお昼には仕事終了

出張コンサルタントは月曜日の早朝に飛行機に乗り込むのですが、朝一の飛行機に乗ったとしても結局ドアツードアで5時間はかかります。チェックインを済ませ、セキュリティを通過し、飛行機の出発を待ち、大抵遅れ、とそれはそれは長い旅路だからです。私は長らくニューヨークのクライアント元へ通っていましたが、飛行機に乗っている時間そのものは1時間もないのですが、朝6時過ぎ出発の飛行機でも、現場につくのは10時を過ぎていました。プロジェクトにも慣れてくると朝一の飛行機に乗らなくなる怠け者コンサルタントも増えるので、実際にはランチ直前に到着する人も多かったです。

帰りは木曜の午後一でクライアント先を出て、空港へ向かいます。金曜日は自宅から働くのですが、そう考えるとクライアントは高いお金を払ってるにも関わらず、コンサルタントたちを拘束できる時間は結構少ないんですよね。それが当たり前の権利だと思っていましたが、今の仕事で逆にコンサルタントを使う立場になって、非常に不便なことが分かりました。木曜日に何か聞こうと思ったらもういないんですもの。

経費で丸儲け

出張コンサルタントには、出張に関連する経費が出ますよね。交通費はもちろん、毎日の食費も出ます。都市別に食費の上限(Per Diemと言います)が決まっていて、実際にかかった費用を出張から戻り次第会社に請求するのです。多くのコンサルタント会社では75ドル以下だったらレシートが必要ないので、ここで小銭を稼ぐコンサルタントもいるのですよ。毎晩テイクアウトのチャイニーズなどで実際にかかった金額は10ドルほどなのに、請求はニューヨークでの上限の59ドルを請求したりと場合によってはかなり悪徳。私は正直な日本人なので、意図的にCheatすることはなかったし(金額を忘れてだいたいの金額を請求することは多々あったけど)、基本おいしい和食なんかをがっつり食べに行ってたので上限をオーバーすることが多かったかな。

次に働いたコンサルティングファームでは、会計事務所だったこともあって、朝昼晩ご飯の金額を別に請求し、それぞれ25ドル以上ならレシートを提出しなければならなかったので、出張清算はすごくめんどうでした。とあるプロジェクトでメンバー全員が朝ごはんに24.99ドルを毎日請求し(レシートを出さなくていいぎりぎりの金額)、それはおかしいということでクライアントに発見され、全員クビになる事件がありました。その事件は私が入社して2週目のことで、その中の一人が私の直属の上司だったから、バタバタだったのを覚えています。クビになると、なんとNoticeもなしに、メールもコンピューターも社員証も使えなくなるから、事情を知らない身としては混乱するんですよね。

細々小銭を稼ぎたくなる気持ちは分からないでもないですが、正直が一番です!It’s not worth it!

マイレージとホテルポイントで豪華なバケーションを♪

 外資系コンサルタント

これは出張が多いビジネスマンにとっては、一番思いつくあるあるではないでしょうか。毎週飛行機に乗ればマイレージがすごい勢いでたまっていくし、ヒルトンやマリオットなどの同じ系列のホテルに連泊すればそこのポイントもたまり、無料で飛行機に乗れたり、よいホテルに泊まれたりします。それを利用して毎年豪華な家族旅行に出かけるコンサルタントはとても多いです。

無料で利用できると言う特典の他に、飛行機ならステータスがあがると自動的にファーストクラスにアップグレードしてくれたり、チェックインやセキュリティで専用のラインに並べるので待つ必要がなかったりします。ホテルならステータスが高い客用のラウンジが使用できて、そこにはソファやテレビのあるちょっとしたリラックススペースがあり、無料で飲み物やデザートやオードブルが提供されます。

そういう扱いを受けているとなんだか自分がえらくなったような気分になることがあって、それは本当に危険だと思いました。ラウンジに行けることは何もえらくないし、何よりも会社のお金でその恩恵を授かってるだけのことですから。

扱いは豚?

ホテルポイントのおかげでラウンジでいい扱いを受ける代わりと言っては何ですが、クライアント先でのコンサルタントの扱いはひどいことが多いです。スペースに余裕のあるクライアント先ならキュービクルが与えられるのですが、私のクライアント先は大抵都市部だったので、まとめて豚小屋みたいなところに放り込まれることも何度もありました。一度なんて、畳12畳ほどの空間に20人近くの豚、失礼、コンサルタントがつめこまれ、そこでコンサルタント同士の話し合い、電話会議、ランチなどすべてが行われて、気が狂うかと思いました。インド人の多いプロジェクトだったので、その12畳の空間でみんながランチを食べると、ものすごい加齢臭、もとい、カレー臭が!

週末は家族も同行

これは出張先にもよるのですが、ポピュラーな出張先だと週末に家族が訪れてくることもあります。ニューヨークのときはそれがとても頻繁でした。私も2度ほど週末に夫が来てくれることがあって、同じ都市でも一人でいるよりずっと楽しかったな。ただ日曜日の午後に別れるときは切ないメロディが流れるのですが。サザエさん症候群の悪いバージョンみたいな。

お一人さま上等

基本コンサルタントは晩ご飯は一人で食べることが多いです。ランチは大抵誰かと一緒だけど、晩ご飯はよっぽど気が合う場合を除いて毎晩ってのは精神的につらいんじゃないかな。テイクアウトで簡単に済ます人も多いですが、私はしっかりとレストランへ行っておいしいものを食べる派でした!コンサルタントっていうのは孤独なもので、クライアント先の見知らぬ土地に友達がいるわけでもないですから、晩ご飯もその後の休憩も睡眠もホテルの一室で済ますって、精神衛生上よくない気がしていたからです。

現代社会では、学校や職場で一人でご飯を食べているのを見られたくなくて、トイレでお弁当を食べる子供がいるそうですね。大人になってもレストランにひとりで入るのは勇気がいる、というのが大多数ではないでしょうか。私は出張時代に鍛えられたおかげで、一人でラーメン屋でもパスタ屋でもそば屋でも(全部麺類だけど)全然問題なし!周りは自分が思うほど、一人飯を楽しむ他人を気に留めてないものですよ。

結論

いかがでしたでしょうか。マイレージやホテルのポイントなどよいこともありましたが、やっぱり出張コンサルタントは仕事中も仕事後も孤独です。それでも男性の同僚たちは出張し続けてる人がまだまだいますが、女性は出産と同時に出張のない部署や転職する人が多いのが現実。Work Life Balanceが叫ばれていますが、やはり物理的に家族と離れて暮らすとなると、全然バランスなんて取れていませんものね。

次回はコンサルタントの仕事そのものに関するあれこれについて書くことにします。

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