アメリカ人は朗らかでよくしゃべるし、一緒に飲みに行くことがあってもぐちぐちと会社や上司の悪口を言い続けることもありません。週末になれば家族でサイクリングに出かけ、近所の友達と集まってホームパーティーをし、日曜日の朝に教会へ行く人も多いです。一見するとうつ病とは無縁に見えますが、実際には18歳以上のうつ病患者は統計によると6.7%もいるそうです。うつ病にかかる人の平均年齢は32歳だそう。
今日はアメリカでのうつ病対策について書いてみます。
私の親しいアメリカ人の友達でも、うつ病で苦しんでいる人がいます。うつ病は何らかの健康上の問題と併発する場合が多く、私の友達もそのパターン。このままずっとこの健康状態で苦しむのか、と将来を悲観してしまうそうです。泣きながら電話がかかってくると、自分の無力さに情けなくなります。うつ病にかかると依存症も併発することもあり、それはお酒だったり薬物だったりします。私の住むエリアはマリファナが合法なので、その友達もマリファナを使っており、とても心配。
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うつ病にかかったり、その初期症状が確認されると、アメリカ人は心理カウンセラーの元に気軽に足を運びます。これがうつ病患者には大きな助けになるようです。定期的にカウンセラーに話を聞いてもらい、必要な時は精神科へ行って薬を処方してもらうこともあります。自分に合うカウンセラーを見つけることはとても難しく、大抵は複数のカウンセラーと会って自分にぴったりの人を探すことになります。私自身もカウンセラーにかかったことが、渡米してから2度ほどあります。2度とも結局あまりしっくりこなかったのですが、その原因は、私の場合、自分の心の中に感情を閉じ込める傾向があるのに、それを100%吐き出させてくれるカウンセラーに出会えなかったからだと分析しています。2度ともカウンセラーの話をずっと聞いて終わったみたいな(笑)。
日本でもうつ病は社会問題ですが、私が18年前に住んでいた頃はまだまだ認知されていなかった記憶があります。そもそも日本では、うつ病を心の病だとか、精神的に弱いだとか見られがちですが、うつ病は正真正銘の脳内の病気で、専門家と治療に励まないと治りません。日本人はサムライ魂を掲げ、重度のうつ病になるまで我慢をしてしまう傾向にありますが、これはとても危険です。アメリカ人はうつ病の傾向が見られるとすぐにカウンセラーにかかるし、傾向が見られなくても「うつ病になる可能性がある」と思えば、予防の一環としてカウンセラーとアポを取ります。積極的にうつ病の芽を見逃さず、その目が地面の上に出てくればすぐに抜きとろうとします。アメリカの医療は大変高額なので、医療に関しては基本、予防の文化なのです。
ほがらかに見えるアメリカ人がうつ病にかかるのはどうしてだろう、とたまに考えるのですが、それはやはり社会的なプレッシャーでしょうか。アメリカは政府が路頭に迷ってる人を助けてくれるような国ではないので、自分の身を守るプレッシャーは半端ありません。先週まで仕事をして普通に暮らしていた人が、数週間後には家も健康保険も失い、路頭に迷うなんてことはよくある話です。社会保障も生涯就職もあてにならない国だからこそ、アメリカンドリームのチャンスもある代わりに、アメリカンリスクもあるわけです。そんな社会にいれば、そのプレッシャーに押し潰されることも容易に理解できます。あと、アメリカ人は人からどう見られるかを気にするので、人前で落ち込んだ姿をなかなか見せることはなく、常にほがらかでいなければならないプレッシャーもあります。ポジティブでいることが大切な社会ですから、自分に偽り続け、明るい笑顔を無理やり作ることもあるでしょう。
その点、日本は飲み会で愚痴をこぼすこともできるし、無理して笑顔を作らなくても怪訝なことと思われないから、楽な点もあるのかもしれません。ただ社会的に、まだうつ病に対する偏見が多く、仕事を続けられなったりする点は、大きく改善されるといいと願っています。気軽にカウンセリングに行って、当たり前のようにその治療に専念できる社会が実現すれば、日本はアメリカよりもうつ病患者が住みやすい国になるのではないでしょうか。
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