今回の一連のアメリカ大統領選は、世界をひっくり返すような大きなニュースとなりました。悪い意味で、ですけど。私はお恥ずかしい話、政治にはなんの興味も知識もないので、そういう話題とは無縁のところで生きてきました。でもホワイトハウスのごく近所で働く公務員の私にとって、無縁でいるのはとても難しい一年でした。まぁ、今後4年はこの混乱に翻弄され続けるんでしょうが。

そこで今日は、大統領選関係で、首都近郊でごく普通に暮らす私たち家族の身に起こったことを挙げてみます。

民主党・共和党の支持が真っ二つに別れる

私はスイング・ステート(揺れる州)と呼ばれる州に住んでいます。スイング・ステートとは、アメリカ大統領選挙において、共和党・民主党の支持率が拮抗し、選挙のたびに勝利政党が変動する州のことです。だから私たちの州は、選挙戦では注目度が必然的に高くなります。

支持が分かれるとどういうことが起こるかというと、まず家の前に大統領選で誰を支持するかのプラカードを立てる家が多いのですが、それが交互に並ぶ形となります(笑)。右となりはヒラリー、左となりはトランプ、そしてうちはヒラリーみたいな(実際は立ててないですけど)パターンも普通にあり。そうすると左となりのトランプ支持のお家とは、必然的に政治の話題は避ける形となります。

親友がトランプ支持

これもスイング・ステートあるあるなのですが、トランプを支持する人はどこにでも普通にいて、それは親友でもそうだったりします。月に2度ほどは集まってお酒を一緒に飲んだり、子供たちが互いの家をお泊まりするほどの親友アメリカ人が、選挙前の飲み会で「俺はトランプに入れる」と言ったので、驚きのあまりビールを顔にぶっかけるところでした。っていうか、わざとビールを彼の顔に吹きかけたかったです。

彼曰く「共和党を支持するから、しょうがないじゃないか」だそうです。そう考えると、今回共和党を支持する人たちはかわいそうだったな、と思います。私の大学時代のホストファミリーは熱狂的な共和党支持者でしたが、今回は難しい決断だと嘆いていました。ちなみに彼らは最終的に、民主党のヒラリーに投票しました。

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学校で選挙の話が禁止される

スイング・ステートなので、学校に通う子供たちもまっぷたつに分かれます。まぁ、ほとんどの子供たちは親の支持する政党を真似して支持するので、それも納得ですね。「トランプ気持ち悪い!」「ヒラリーは嘘つきなんだよ!」と喧嘩に発展するので、市内の学校全体で選挙戦の話題が禁止されました。

でも先生たちは隠しきれない

一応は禁止されている選挙の話題ですが、先生たちも人間です。長女の担任の先生は、大統領当選発表の翌日も、就任式当日もgloomy(どんよりとした、憂鬱な)な空気を撒き散らしていたそうです。クラスのお友達と、「先生、今日、超gloomyだけど、大丈夫かな?」「きっとトランプ嫌いなんだよ・・・。」と、昼休みにコソコソとみんなで心配していたんですって。

子供たちも選挙戦のことばかり

学校でいくら話題が禁止されても、子供たちにとっても最大の関心ごとは大統領選挙だったように思います。小4と小2の娘たちの学校でも、日本語補習校でも、やっぱりみんな選挙のことばかり話していたと言います。すごいなぁ、と感心する私。私が小学生の頃なんて、内閣総理大臣って言葉すらあやふやだったレベルでしたよ。

小4の長女曰く「ママ、時代は変わったのよ」だそうです(笑)。そうよね、自分たちの生活にダイレクトに響いてくるものね。あと日本と違って、直接大統領を選べるから(選挙人を通すから、厳密にはちょっと違うんだけど)、その分関心が強くならざるを得ないのかもしれません。

この前、お泊まりに来てくれた幼稚園児のRちゃんは「Rはトランプ嫌いなんだよ!特に髪が嫌いなの!」と豪語していました(笑)。Rちゃんったら・・・、5歳なのによく分かってらっしゃる!ほんと、あの髪型と人格、どうにかしてほしいよねー。

精神的落ち込みが激しい

政治に無関心な私ですら、今回の大統領選は結果がわかってから落ち込みました。政治のことがよくわからない私から見ても、人間的に人の上に立っちゃいけない人が、よりによってアメリカの大統領なんて。私ですらこの落ち込みようですから、私の周りのアメリカ人の友人や同僚にとってはかなり堪えたようです。

犯罪が増加

トランプ氏が大統領選で猛威を振るうようになるのと同じ頃から、犯罪が増えたように思います。私が住むのは新興住宅地なのでいろいろな住民が増えたってのもあるのでしょうが、人種差別的な落書きを学校の壁に書く人が現れたりってことが何度もありました。

私の周りではこのくらいで済みましたが、ツイッタなどを見ていると各地で差別的な事件が多発したり、(大統領を初め)要人が差別的な発言を繰り返したり、と本当に住みづらい国になったな、という実感。特に夜に外を歩くのが、以前より怖いです。

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就任式と翌日のデモの渋滞がハンパない

今日はワシントンを始めとして、各地で新政権に対してのデモが行われていますが、朝から地下鉄の駅へ向かう車で1車線が末期的な渋滞で、動きませんでした。渋滞が大嫌いで、いつもイライラが止まらない私ですが、今回は人生で初めて、「渋滞を起こすほどの人がいてくれてありがとう」と渋滞に感謝しました。デモのあった今日はワシントン郊外の街中はいつもよりずーっと空いていました。多くがデモに参加していたのでしょう。

でも就任式は参列者がオバマ前大統領のときの3分の1だったそうです。友人のご主人が新聞社に勤めているのですが、就任式の参加者が少なかったおかげで、事務職なのに最前列に座れた、と言ってました(笑)。

ワシントンが要塞と化す

就任前にこれだけ反対派が多い大統領はお初ということもあり、セキュリティを強化するため、就任式のワシントンは立ち入り禁止状態でした。私のオフィスはホワイトハウスのご近所さんなので、今週は一週間オフィスへは来ないよう御達しがあり、自宅勤務でした。公務員は就任式当日は祝日だし。まったく祝うことではないけれど。

大統領選のコメディーショー

なんともgloomyだった今回の大統領選。唯一の救いが、それを揶揄したコメディーショーで大笑いできたこと。アメリカ人のこういう明るいところ、私は大好き。毎週夫とコメディをみて笑い、傷をなめていました。

コメディーショーだけでなく、ガチでやってるのに笑えるニュースもありましたね。トランプが自分を小バカにしたコメディーショーに(ツイッターで)マジギレしたり、ツイッターの自分のアカウントの背景にオバマ大統領の時の就任式の画像を使ったり(自分の時は参加者が少なかったから)、トムフォードがトランプ夫人のドレスのオーダーを断ったことにトランプが(ツイッターで)マジギレしたり。っていうか、もうツイッターやめてもらっていいですか?もっとやらなきゃいけないことあると思うんですけど?

あと4年。強い気持ちを持って、未来の子供たちのためにも前を向いて声をあげて、暮らしていくつもりです。

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