少し前に女優の山口智子さんが、とある雑誌のインタビューで、「子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました」と発言し、話題になりました。もう50歳を超える彼女ですが、自分の選択した道に一片の後悔もないと書いてありました。人それぞれ、いろんな選択肢を持っていいはずだと。その山口智子さんの発言はすっかり忘れていたのだけど、先日泊まりに来てくれていた友人が同じことを言いだしたので、私自身がこの選択肢の周りを右往左往した頃のことを思い出しました。そして子供のいる人生を選んで10年以上たつ今、家庭を持つ幸せと、自分の人生を好きに生きる幸せは、どう比べるんだろう、と。
前出の友人は私と変わらずアラフォー女性ですが、「もう結婚する気も、ましてや出産する気もない」と言い放っていました。一度結婚に失敗したあともオンラインなどで相手を見つけようと努力していた時期もありましたが、その気も失せたようです。
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そんな苦しい時期を乗り越え、彼女が下した決断は、「自分の幸せを得るために、他人や家族に頼るのはやめる」ことだったそう。彼女は小説家になる、という昔からの夢を全うするべく、フルタイムで仕事をしつつ、残りの時間は自分の夢のために費やしています。毎日充実していて、自分の人生を生きているんだと実感しているととてもうれしそうでした。
それでも、彼女と仲のよいお隣さん@既婚&子持ちが、明るい家でかわいらしい子供たちと優しい旦那さまと楽しそうにしているのを窓越しに眺めると、寂しくなるのも本音だと漏らしていました。特に仕事や小説でうまくいかなかったときや、体調が悪いときなど、自分がいろいろな意味で弱っているときには、余計惨めな気持ちになりそうになるから、気持ちを切り替えるための努力をしなければならないのだそう。
彼女は、お気に入りのモチベーショナルスピーカーのサム・クローリーがトークをするポッドキャスト( Everyday Is Saturday )を愛聴していて、ある回でサムが、たいていの人は苦難があるとそこで諦めてしまうけど、今日は人生で最後の日だと思って頑張るべきだ、と説いていて、目が覚めたと言います。自分の寿命がわかった時点で、彼女がどうしてもやりたかったことは小説を世に残すこと、子供を世に残すことではなかったんだと。自分の人生の優先順位は、夢であって、子孫を残すことではないと。
Everyday Is Saturdayのポッドキャストを聞いて、彼女は「大事なのは、その決断をしたら揺るがないこと。周りに影響されないこと。」と私に言いました。うん、これはよく分かるな。私は子供たちはふたりとも30過ぎてから生んだのですが、その前に子供を持つ気があるのか聞かれたことが何度もあります。私は鈍感なのか、別に否定的にそれを取ることはなかったにもかかわらず、言われるたびに、いつかは必ず子供を持たなきゃな、という気分に自然となりましたから。これが一生「どうして子供作らないの?」とか「作らなかったの?」という質問が付きまとうとなれば、心折れます。生まない選択肢はないのか?と。
先ほどは、家庭を持つ幸せと、自分の人生を好きに生きる幸せは、どう比べるべきなのかと書きましたが、この幸せの決断は、私たちが自由に下せるべきです。私はたまたま子供を持つ幸せを選んで、そのおかげで幸せではあるけれど、自分が思い浮かべた大きな夢は、金銭面でも時間の面でも子供たちの安定の面でも、優先順位を変えなければなりませんでした。私がアメリカに来る前に抱いていた野心の多くは、結局実現する前に妊娠・出産があったので、未だに手帳の片隅にある野心メモに記されたままです。でもそうやって優先順位を変えることは、幸せの順位とはまったくの別物。だから自分が信じる優先順位を人に押しつけるような真似は、迷惑そのものです。たとえそれがアドバイスのふりをしようともね。
「かわいい子供たちを持って幸せですか?」と聞かれたら、もちろん100%イエスな私。でもたとえ自分の思い描いた大きな夢に向かうことを優先した人生を選択していたとしても、その夢に邁進しながら幸せな人生を送っていただけの話なのです。
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